フェーズ1(0→100社)は、Webマーケティングや広告に頼る前の「空中戦」ではなく、地を這うような「地上戦」の時期です。この時期の目的は、単なる契約獲得ではなく**「良質なフィードバックと実績(事例)」**を得ることにあります。
最短で最初の100社に到達するための、具体的かつ泥臭いアプローチ法を解説します。
🛠 フェーズ1:地上戦を勝ち抜くための「営業リスト作成術」
このフェーズでは、広いリストよりも「確実に刺さる狭いリスト」が必要です。
1. 「バーニングニーズ」を持つ企業を特定する
「あったらいいな」ではなく「ないと困る」企業を探します。
- 求人情報をハックする: 求人サイト(Wantedly, 転職ドラフト等)で、自社ツールが解決する課題を抱えていそうな募集を探します。
- 例:エンジニア採用に苦戦している、古い基幹システムのリプレイスを検討している等。
- 特定キーワードでのSNS検索: X(旧Twitter)などで、「〇〇が不便」「〇〇のツール、いいのないかな」と呟いている担当者をリアルタイムで探します。
2. 「初期ターゲット」を1つの属性に絞り込む
「全業界に使えます」は、誰にも刺さりません。
- ドメイン特化: 「渋谷区のSaaS企業」「地方の老舗製造業」など、属性を極限まで絞ります。
- メリット: 1社導入が決まると、「あそこも使っているなら」と近隣・同業他社への横展開が劇的に楽になります。
3. 未踏の地「紹介のピラミッド」を作る
- 既存の繋がりを全て書き出す: 出身校、前職の同僚、親戚、知人。このフェーズでは「コネ」を最大限に使うのがエンジニアリング的にも効率的(信頼のコストがゼロ)です。
📣 最初の100社を動かす「アプローチの極意」
「売り込み」ではなく「教えてほしい」というスタンスが、エンジニア発プロダクトには有効です。
1. 「アドバイスを求める」メール術
いきなり「契約してください」はNGです。
- 文面例: 「〇〇という課題を解決するプロダクトを開発しています。〇〇の知見をお持ちの貴社に、ぜひ忌憚のない意見を伺いたい。30分だけお時間をいただけないでしょうか?」
- 効果: 日本の企業文化では「相談」は断られにくく、実際に会って話すと「それ、うちでテスト導入してもいいよ」という流れになりやすいです。
2. 「初期ユーザー限定」のプレミアム感を演出する
- 「共創」の提案: 「最初の100社様は『デザインパートナー』として、御社の要望を直接プロダクトのロードマップに反映させます」と伝えます。
- 特別プラン: 永年割引や、通常は有料の導入コンサルを無償にするなど、初期ならではのメリットを提示します。
3. 「手紙(DM)」と「電話」を厭わない
デジタル全盛だからこそ、アナログが効きます。
- 代表宛ての手紙: ターゲット企業の社長宛てに、なぜそのプロダクトが貴社に必要なのかを熱く記した直筆の手紙を送ります。
- イベント後の即コール: 展示会や勉強会で名刺交換をした相手には、その日のうち、遅くとも翌朝には連絡を入れます。
💡 フェーズ1で絶対に守るべき「たった一つのルール」
「初期顧客の声を、最優先でプロダクトに反映し、その様子を見せること」
「言ったことがすぐに実装された!」という体験こそが、顧客を熱狂的なファン(エバンジェリスト)に変えます。この100社が、次の1,000社を呼ぶための「最強の営業マン」になってくれるのです。
おわりに
フェーズ1の営業は、プロダクト開発の一部です。断られた理由は「バグ報告」だと考えましょう。リストを一巡する頃には、プロダクトも営業トークも、見違えるほど洗練されているはずです。



