センサー情報との整合性チェックで位置偽装を見抜く

GPSの位置情報は便利な一方で、アプリやサービスを不正利用するために偽装されるリスクがあります。こうした位置偽装を見破るために有効なのが、「センサー情報との整合性チェック」です。スマートフォンには複数のセンサーが搭載されており、それらが示すデータとGPS情報を照らし合わせることで、位置情報の真偽を検証できます。


主なチェックポイント

1. 加速度センサーとの整合性

GPSが静止位置を示しているにもかかわらず、加速度センサーが「移動している」と判断していれば、矛盾が生じます
→ 例:地図上で静止中だが、端末が実際には動いている。

2. ジャイロセンサーとの整合性

端末の向きや回転を検知するジャイロセンサーの値と、実際の進行方向の不一致も疑わしいポイントです。
→ 例:カーブを曲がっているように見えるGPS位置、しかしセンサーは向きの変化なし。

3. 磁気センサーや気圧センサーとの整合性

建物内や地下、山間部では地磁気や気圧に特徴があります。位置情報とセンサーが示す環境が一致しないと不自然です。
→ 例:山の上にいるはずなのに気圧が平地と同じ。


チェック方法の一例

チェック項目期待される値実際の値結果
GPS:静止加速度:静止静止整合性あり
GPS:高速移動中加速度:変化なし静止整合性なし
GPS:屋内施設磁気センサー:変動あり変動なし整合性なし

導入の際の注意点

  • センサーの読み取りにはユーザーの許可が必要な場合があるため、事前に明示することが重要です。
  • センサーは瞬間的なブレがあるため、短期の平均値や傾向で見るとより正確な判定が可能です。
  • 他の要素(IPアドレス、タイムゾーンなど)と組み合わせて多層的に検証すると、誤検出のリスクを減らせます。

まとめ

センサー情報との整合性チェックは、物理的な根拠を持って位置偽装を見抜ける有力な手段です。複数のセンサーを組み合わせることで、GPS情報単独よりも高い信頼性を持つ判定が可能になります。セキュリティや不正防止が重要なサービスでは、積極的に導入を検討すべき技術です。

システム開発なんでもパートナー
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