IT系国家資格の中でもよく比較される「基本情報技術者試験(FE試験)」と「応用情報技術者試験(AP試験)」。この記事では、両者の違いやレベル感、出題内容、受験者層の違い、そしてどちらから受験すべきかの判断ポイントをわかりやすく解説します。
試験の位置づけ
項目 | 基本情報技術者試験(FE) | 応用情報技術者試験(AP) |
---|---|---|
レベル | レベル2(基礎) | レベル3(中級) |
難易度 | 初級者〜新入社員向け | 実務経験者・中堅向け |
目的 | ITの基礎知識を身につける | より実践的な知識・判断力を問う |
**基本情報技術者試験(FE)**は、ITエンジニアとしての基礎知識を幅広く問う試験です。
一方、**応用情報技術者試験(AP)**はその上位資格で、設計や管理、業務改善など実務レベルでの応用力が求められます。
試験内容の違い
■ 午前試験の比較
項目 | FE | AP |
---|---|---|
問題数 | 約80問 | 約80問 |
形式 | 四択式 | 四択式 |
内容 | IT基礎(アルゴリズム、ネットワーク、セキュリティなど) | 応用的な内容(マネジメント、戦略、法務など) |
FEはIT技術全般の基礎力、APは業務や戦略との関連性も含めた広い視点が求められます。
■ 午後試験の比較
項目 | FE | AP |
---|---|---|
問題数 | 11問中5問選択(記述式) | 11問中5問選択(記述式) |
特徴 | アルゴリズムや表計算など技術的問題が中心 | セキュリティ、設計、マネジメントなどより実務寄りの問題が出題 |
午後試験ではどちらも記述式ですが、APの方が専門性が高く、選択問題に戦略が必要になります。
対象となる受験者の違い
- FE試験に向いている人
- IT業界に入ったばかりの初心者
- ITパスポート取得後、次のステップを目指す人
- エンジニアとしての基礎力を証明したい人
- AP試験に向いている人
- FE合格者、または同等レベルの知識を持つ人
- 実務経験を通じて応用力を身につけた人
- 設計、要件定義、マネジメントなど上流工程に関わる人
合格率と勉強時間の違い
項目 | FE | AP |
---|---|---|
合格率 | 約25〜30% | 約20%前後 |
平均勉強時間 | 約100〜150時間 | 約200〜300時間 |
APは明確に難易度が高く、応用的かつ抽象度の高い設問が多いため、理解の深さが求められます。
結局、どちらを受けるべき?
■ 初心者や新卒ならまずFE
IT業界に入ったばかりの人や情報系以外の出身者は、まずFE試験を受験するのが王道です。基礎を体系的に身につけられ、転職やキャリア初期のアピール材料にもなります。
■ FE取得後、次のステップとしてAPを
FEを取得済み、あるいは同等の知識がある人は、AP試験でより実践的なスキルの証明を目指しましょう。プロジェクトマネージャやITアーキテクトなど上位資格への登竜門でもあります。
まとめ
比較項目 | FE | AP |
---|---|---|
レベル | 基礎(レベル2) | 中級(レベル3) |
出題内容 | 技術的知識の確認 | 応用・設計・マネジメント力の確認 |
難易度 | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
推奨対象 | 初学者、学生、新人 | 実務経験者、中堅SE、設計者 |
「まずは基礎から」という方はFEから、すでに現場経験を積んでいる方はAPに挑戦してみましょう!